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そろそろ部活動勧誘も活発になってきて、体験入部や早い方だと
もう早速入部して、部活動に参加している方もいると思います。
体験入部で決めかねている方も、また入部してしまった方も、
“まだ”引き返せる段階だと思いますので、書かせて頂きます。
昨今、私立校・中高一貫校では、文武両道の推し進めにより、
本当に文武両道を体現される方、文においては成績優秀、学年10位以内、
武においては心身ともに鍛えられ、地区はもちろん、都道府県大会、
全国大会へと優秀な成績を収められる、文武両道の方が増えてきました。
それこそ、おそらく成績上位30名くらいの方の中で、
文武両道を兼ね揃えている方の率が増えてきたと思います。
まさしく私立校・中高一貫校の掲げる教育理想、生徒の自由・自主性を重んじ、
文武ともに優れるモデルケースのような生徒となっている方が増えてきていると思います。
しかしながら、その素晴らしい光が、光り輝けば輝くほど、
影の部分は色濃くなっていきます。
そういった悲劇の話をする前に、そもそも、なぜ今、
私立校・中高一貫校の部活動が活発化し、
そして好成績を収めているかを推論させて頂きます。
昔の私立校・中高一貫校の部活動というのは、
失礼な書き方をさせて頂きますと、
『お遊び』『趣味』程度であることが多かったです。
練習する環境・施設自体は、充実しているものの、
週に2・3回、練習は自由参加、テストの点数や成績が悪くなれば、
自ら休部・退部する、あるいは学校側から“させられる”は当たり前でした。
一方、ライバル校となる、公立校は練習する環境・施設が充実していない分、
練習量でカバーということで、地区で優勝する学校などはもちろん、
全国まで行くとなると、土日休みなどなく毎日夜遅くまで練習し、
その上、朝練、昼休みも、長期休み中もと休みなく練習される学校が多かったです。
学校側もこれを容認し、むしろ、推奨していたように思えます。
なぜなら、その結果が最終週的に『進学』『推薦』に繋がることもあり、
『受験』までの間、勉強もせずにフラフラとされるよりは、
目標に向かって汗を流し、青春時代を充実したものにしてもらえると
考えられていたからだと思います。
そして、公立校は私立校・中高一貫校より母数が多かったため、
切磋琢磨して、さらにはその中でも各スポーツで特色を出して、
このスポーツならこの学校という住み分けもされていたように思えます。
しかし、昨今、これの逆転現象が起きてきています。
もともと、環境や施設が充実している私立校・中高一貫校は、
そのことに目を付け、さらに、公立校の弱体化が追い風となって、
今や地区や都道府県大会ともなれば、私立校・中高一貫校のほうが、
上位を占めてきているように思えます。
その結果、私立校・中高一貫校では、校風も相まって、
生徒の“自由・自主性”、青春時代の充実、文武両道の精神を謳い、
部活動の内容が、かつての公立校のようになってきています、いえ、
今まさになっている、なったといっても過言ではないでしょう。
OB・OGの大学生や専門のコーチなどに協力を求め、練習は週に5・6回、
部活動は休みと称している日も、『練習試合』という名目にして、他校に出向き、
休みなく練習する。
練習は、『自由参加』を謳ってはいるものの、その実、『休むならレギュラーになれない』
『(顧問の先生の教科の)成績は優遇しない』『(部活動による)内申点はあげない』という形で、
ほとんど強制的に参加せざるおえません。
さらに、運動部などで、チームスポーツや団体競技ともなれば、『誰かが欠ければ』、
全体に影響するということから、主力メンバーともなると、テストの点数や成績はもちろん、
今現在どんな学力だろうと、どんな結果(進級・進学できない)となろうとも、
『部活動』だけは“休ませない”と、圧力をかけてくることが多くなってきていると思います。
残念ながら、これは学校・顧問の先生側からだけでなく、
今は、『親御さん同士』でも行われている状況だと聞きます。
そうなると、もうこの部活動は、『趣味』や『青春時代を充実するもの』程度の話では
なくなってきます。
その学校で必要な学力水準を、大幅に下回っているにも関わらず
プロを目指すかのような練習を虐げられて、『辞める』ことができない、
『強制労働』となります。
初めの内は、その『壁』を乗り越えるくらいの精神力、体力、耐力、集中力を、
身につけられなければ、文武両道などできない、だから“挑戦”するつもりなのかも
しれませんが、今は『一度入部』したら、3年間、ないしは6年間、
“抜けることのできない”ものとなっております。
最終的に、引退して、受験に備えられる公立校であれば、それもまた、
精神力が鍛えられるもの、あるいは『良い思い出』となるのでしょうが、
1年次から3年次の二学期までのテストの点数・成績の『記録』の『積み重ね』によって、
進級・進学が決まる私立校・中高一貫校では、部活動を『引退する』までの、
3年次一学期まで、縛り続けられた上に、その間の『記録』が、最後の一学期分、
3年次二学期で、一気にツケを返さなければならないことになります。
最近、2年次において、『進学できない』ということが増えてきているのは、
このためでもあるように思えます。
もう残り2学期分の成績では返せないほどのツケとなってしまって、
『(内部)進学“しない”』ことを条件に、3年次に進級・卒業だけはさせて
もらうということが部活動における悲劇でしょう。
親御さんからすれば、まさに寝耳に水で、部活動を強制したのは学校側だろうと、
『(内部)進学できない』ことが“決まって”『なってみてわかってから』
憤慨しても、それまでの全ての『記録』によって、言葉を失うことになるでしょう。
さらに、最近、私立校・中高一貫校のこういった状況・状態に対して、
公立校も独自のコーチや練習環境・施設の改善を行い、強化を図ってきて、
再起を賭けてきています。
言い方が悪いですが、引退するまでの間、学校の勉強や成績など、
一切考えずに、練習に明け暮れるだけの集中力を兼ね揃えている公立校の生徒が、
一度本気に取り組み始めたら、また逆転現象がおきることになると思います。
そうなると、私立校・中高一貫校での部活動は、そこまで、
自らの進路の、いえ、人生の進退、つまり、『進級・進学』を、
賭けてまで、行うべきことなのかどうか、よく考えなければならないものと
なります。
公立校の方にとっては、むしろ、それが自分の進路、スポーツ推薦や
プロへの道に繋がると考えた場合、今風でいう『学校の勉強が社会に出て役に立たない』を
“体現”する形になりますので、もし、その考えを突き詰める方が多く出てきた時、
部活動のあり方がまた問われることになると思います。
片手間で、趣味程度でやるのでは文武両道ではないという考えはもちろんわかりますが、
武に本気になったら、今度は文が片手間、趣味程度に考えてしまうようでは、
文武両道の精神は弊害になっているようにしか思えません。
特に、『記録』される各学年、各学期の定期テストの点数、成績によって、
進級・進学、進路、人生が決まってくる私立校・中高一貫校の場合、
文、つまり学校の勉強を片手間、趣味とするわけにはいきません。
通っている学校での『内部進学』をわざわざ蹴ってまで、
一発逆転の受験に賭ける、あるいはスポーツ推薦などで他校に行くというのであれば、
このようなこと微塵も考える必要はありませんが、もし、“あわよくば”でも、
『内部進学』を『願っている』というのであれば、よく考えられることを
オススメします。
昨今の私立校・中高一貫校の部活動選びは、学校生活の3年間の“全て”が
決まるものとなります。
本気で文武両道を目指すというのであれば、部活動の『武』と勉強の『文』以外の
遊びや趣味は出来ない・しないものと覚悟を決めるつもりでなければ、
文武両道の『犠牲者』となる可能性があることを、考えておいて下さい。
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